逆ギレのスイッチが入るとき

『夫に逆ギレされるのが怖いです』というご相談、とても多いです。

でもその反面、実は妻の行動が、そのまま夫の逆ギレを誘発していることもあります。

典型的なパターンをご紹介しますね。

たとえば、浮気の証拠を掴むために、ご主人のスマホをチェックしたA 子さんの場合。
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寝落ちした夫のスマホがロック解除されていることに気づき、ここぞとばかりにメールをチェックしたら、浮気相手とのやりとりを発見。

頭に血が上ったA 子さんは、そのままご主人を叩き起こし、証拠のメールを突きつけて、「これ、どういうこと?」と問い詰めました。

するとご主人は、「おまえ、何、ひとのスマホ勝手にみてんねん?」と逆ギレ。

浮気を認めてもらうどころではなくなってしまいました。

あるいは、こんな例もありました。

ご主人の浮気を直感したB 子さん。

冗談気味に、「あなた、浮気してるんじゃないの?」と問いただしました。

するとご主人は、「してるわけないだろ?そんなに疑うなら、俺のスマホ、見てみなよ」といって、B 子さんに自分のスマホを渡しました。

奥さんは、受け取ったスマホを、その場で確認しはじめました。

すると突然、ご主人はこう言ったんです。

『こいつホントに見やがった!なんでそこまでするの?信じられない!』と、自分で見てみろっていっておいて、見たら、逆ギレ。

もっとも、B 子さんはご主人の剣幕にひるまずにスマホをチェックしつづけ、実際に浮気のメールがざくざく見つかったんですけどね。

これらのパターンでは、突然追い込んできた妻に対して、自分の非を認めるどころか、逆ギレという威嚇によって妻をひるませ、立場を逆転しようとしているわけです。

つまり、こういう逆ギレは、ほとんど意識的にやっていると言ってよいでしょう。

また、自分が裏切っている立場であっても、「オレを信じていないのか」という自尊心が傷つれられた思いで怒りがこみ上げてきて、「ああもう信じられない、もうやっていけない」と感情をあらわにしていることもあります。

いずれにしても、あえて感情的にぶつかるような場面を作って話し合いを不能にしたり、追求をかわそうとしているので、そこであなたがうろたえたり、逆にヒステリックになってしまうことは、かえってご主人の思うつぼになってしまいます。

ではどうすればいいかというと、ご主人が感情的になればなるほど、あなたは冷静に、淡々とした態度を徹することが必要です。

当たり前のように思われるかもしれませんが、その場面になると、どうしても感情対感情のぶつかり合いになってしまいがちです。

「浮気なんかして、どういうつもり?」

「こんなことして、私がどんなに辛いかわからないの?」

そんなことばも、逆ギレ中のご主人に対しては、火に油を注ぐようなものです。

このような場合は、とにかく感情的な言葉よりも理屈に沿った話をするようにしてください。

これは夫婦喧嘩のときなどにも言えることですが、男性は、筋道の通った理屈を冷静に言う相手に対して、逆ギレし続けることができません。

それは、そういう相手には逆ギレは通用しないし、頭のどこかで、相手の言っていることが真っ当であるということを理解しているからです。

コツとしては、あなた目線の言葉よりも、夫自身が困るようなこと、「もしかすると、妻のいうとおりかもしれない」と思わせるような言葉が効果的です。

たとえば、職場不倫などが見つかった場合なら

「上司に知られたら大変なことになるんじゃないの?」

「まわりの部下はあなたが彼女といつも一緒だと気づいているはずよ。まわりの人たちは、それをどんなふうに見ていると思う?」

あるいは、

「もしも、このことを子どもたちが知ったら、どんなに悲しむかわかる?」

「彼女も結婚しているんでしょう?もしもむこうのご主人に知られたら、どうなると思う?」

など、知られたくない相手に知られたときのことを想像させるのもよい方法です。

いずれも感情を排して、なるべく客観的な言葉を選んで話をするのがコツです。

 

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