浮気相手に夫を奪われた妻の手記⑨

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(ここから、Y子さんの手記の続きです)


私の日常は、平凡を、幸せを取り戻して何事もなく過ぎて行きました。

ですが、それも1ヶ月くらいのことだったでしょうか。

今度は、携帯にイタズラ電話が掛かってくるようになったのです。

はじめは無言電話が何度か続き、段々と夫との離婚を促すものに変わっていきました。

とは言え、「早く別れてよ!」「あなたは愛されていないんだから!」など、一方的にまくし立て切られてしまうので、こちらから何か言う事は出来ませんでした。

私は軽い気持ちで夫に相談しました。

「ねえ、今度はイタズラ電話が掛かってくるようになったんだけど…」

夫はなにも言いません。

私は、きっと聞こえなかったんだろうと、もう一度声をかけました。

すると。

「…ごめん」

私は意味がわからなくて「何が?」と言いました。

「その人、オレの知り合いなんだ」

瞬間、はじめてあのメールを読んだときと同じ、頭にガンと衝撃が走りました。

目の前が一瞬真っ暗になってから、息が止まりました。

ですが、浮気の事実はないと、夫が言ったんです。

確かに、そう言ったんです。

思わず、私は夫に詰め寄りました。

「知り合いなの?じゃあ、もうやめてもらってね、もう??」

私はよほど必死だったのでしょう。

夫は、「実は…」と話し始めました。

私が一番聞きたくなかった、あえて目をそらそうと必死になっていた現実を。

浮気をしている、と。

まるで深い闇の底に突き落とされた気分でした。

夫が否定したという事実。

私にとってはそれがすべての拠りどころでした。

でも、それは嘘だった。

たった一本の命綱を断ち切られる思いでした。

「…ごめん、本当にごめん。もう別れるから…」

その言葉は、もうわたしの心の中には・・・・(続きはこちら)