浮気相手に夫を奪われた妻の手記⑫

前はこちら

 【解説】

メールの一件のあと、しばらく小康状態があり、何事もなかったように時間が過ぎていますが、実はこの間も、水面下では事態はさらに悪化していきます。

実際、一ヶ月後にはメールから無言電話にかわり、さらに一方的な暴言をぶつける電話に変わっていますね。

この話をお読みになって、「どうしてそんなタチの悪い女性のことを、この男性は好きでいられるんだろう?」と疑問に感じられるかもしれません。

確かに、普通に考えたら、相手女性から妻や子供に危害を加えるような言動があれば、男性はその相手女性に対して怒りを感じるはずですし、彼女の「本性」知って、自分から関係を断つ可能性のほうが高いです。

しかし、非常に粘着質で、執拗に奥さんから男性を奪いとろうとする女性は、たとえば「このままあなたが奥さんと別れてくれないなら、私は首を吊ります。手首を切って死にます」とか「あなたがいないと生きていけない。どうしても私を捨てるなら、慰謝料を1000万円払え!」なとど、泣いたり甘えたり脅かしたりしながら、男性の心を巧みに翻弄してくることもあり、しかもどんどんエスカレートしていく傾向があります。

いってみれば、夫自身が、妻や家庭を守ろうという意思を喪失していって、実質的には、相手女性の思うままになってしまっている状態です。

この状態が進んでいくと、まるで『洗脳』されたように、夫の思考がどんどん相手女性側に傾いていってしまい、相手女性の感情的な行動に逆らえずに飲み込まれていっていってしまいます。

そして、それが妻に対する拒絶や否定的な言動につながり、何かというと逆切れ、開き直りの態度を見せたり、家庭を顧みなくなる、子どもに冷たくなる、給料を入れなくなる、督促がくることを承知で借金の返済を踏み倒すなど、夫として、父親としての勤め、責任を放棄するようになっていくこともあります。

さらに、一方的に自分から家を出て、相手女性と一緒に住むための部屋まで借りてしまうとか、離婚届けを突き付けてくる、ということも実際にあるのです。

大変残念なことなのですが、この段階まで来てしまいますと、夫婦間の修復は非常に困難です。

もはや夫婦関係を取り戻すためというよりも、これまでどおりの基本的な生活をどう守るか、または離婚になった場合の妻としての権利をどう守るか、ということを考えなくてはいけなくなってきます。

こうした最悪の事態に至らないために、早期の対処が必要なのです。

今回ご紹介したケースは、かなり極端な部類かもしれません。

しかし、このように、いわば奇襲攻撃から始まって、執拗に重爆撃を繰り返す女性も現実に存在します。

そういう事例は、私のもとにも何件も寄せられていますが、いずれもはじめは小さな兆候です。

でも、それを見逃し、事態を放っておくと、すべての対応が後手後手になってしまい、最終的に「相手女性の望むまま」に夫が変わってしまう危険も、決してゼロではありません。

「信じて待つ」ということは、紙一重で『現実逃避』となってしまうこともあります。

いたずらに時間を費やすのではなく、「今なにをすべきか」を知り、しっかり対処していくことが必要です。

問い合わせ