夫婦喧嘩を誘発する言葉と回避する言葉

イラスト『あなたは私のことを家政婦だと思っているんでしょ?』

『あなたにとってはどうでもいいことなんでしょうけど・・・』

これらの言葉は、イラッとしたときについ夫に言ってしまいがちですが、これをきっかけに夫婦喧嘩や口論が始まる確率80%超えですし、すでに喧嘩中なら火に油を注ぐことになります。

もちろん、そう言いたくなってしまうときって、ご主人が何も気遣ってくれないとか、大変さをわかってくれないなど、あなたに対する無神経さがあってのことだと思います。

でも、多くの男性は、そういう妻の心情を理解する前に『一方的に責められている』という理不尽さや不快さを感じて、強い不満を抱きます。

中には、『文句ばかりいいやがって!』と逆ギレの態度に出てくる男性もいます。

人は「批判されている」と感じたら、相手の言い分を聞くよりも、自分を攻撃されないようにガードを張ります。

つまり相手の主張を否定したり、要求を拒否したり、反撃したい感情に駆られます。

言われたほうも、批判されたと感じますから、同じようにガードを張って、反撃してきます。

そして、感情と感情のぶつかり合いになり、話し合いの場を完全につぶしてしまいます。

批判や否定から入る言い方は、相手に「キレてください」と言っているようなものです。

相手に対しての要望や話しあいをしたいときには、いったん相手のことを認めたり、相手の言うことを肯定してから話をするほうが、話し合いが成立する可能性が格段に高くなります。

たとえば、言い合いになりそうになったら、反論する前に「そうだよね」とか「うんうん」とか、相手のことを認めたり、受け入れたりする姿勢を示して、そのうえであなたの求めたいことを具体的に話していくと、相手は否定や拒絶をしづらくなりますので、それだけでも衝突を避けることができます。

「そうだよね」は会話の潤滑剤。相手とわかりあうための魔法の言葉と言ってよいでしょう。

また、これは夫婦だけでなく、人間関係全般に言えることですが、相手と意見がぶつかって、どうしてもうまくまとまらないような場合は、相手の言い分を6割認めて、4割を求める、という形にすると、心理的に相手が受け入れやすくなる、ということがあります。

つまり、相手に『得した』と思わせることです。もちろん、あなたが本当に損をする必要はなく、たとえば、そこでは譲って『貸し』をつくる代わりに、あとでその分は元を取るようにして、結果的にはプラスになるようにもっていくのです。そのほうが、交渉決裂で互いを否定しあうよりもいい、という考え方になります。

これは、企業間や国と国が交渉する場面でも、よく見かける光景ですね。