夫婦関係修復:疎外されていることに、人は耐えられないんです


ウチには猫がいます。

妻と私が何かで話しをしていると、いつのまにかそばに来て、じ~~~と、こちらを見ています。

そして、私たちが彼に関心を示さないと、腹を上に向けてごろーんと横になり、みてみて、とアピールします。

ちなみにうちの猫は大きい上にデブなので、まるで毛皮の敷物のようです。

それでも無視していると、そのうち無理やり私たちの間に入ってきて、ひざの上に乗り、自分はここにいるよ、と強引に割り込んできます。

猫ですら、そうなんですよ。

まして、人間なら、夫婦なら、そばにいて理解してほしい相手、愛情を注いで欲しいと思う相手に無関心でいられること、無視されることに、耐えられるはずがないのです。

家庭内別居、という言葉があります。

家の中にいても、夫婦が赤の他人のように暮らしている。

ご飯も洗濯も寝る場所も別々・・・・。

まぁ、共働きのご夫婦や、生活パターンが不規則なご主人様の場合など、好き好んでというわけではないけれど、どうしてもそんな感じになってしまう、というご家庭の場合なら、状況に対応してそうなっているわけで、それはそれで問題ないかもしれませんが、日常の会話がなくなり、顔を合わせることもなくなり、存在自体が希薄化していくと、たいていの場合、お父さんは「家庭」の中から疎外されていきます。

悲しいことですが、奥様やお子様がご主人様と一緒にいるのがイヤという話、現実にあるんです。

奥様が近所のお友達と話しをしている中で、「今日、旦那が家にいるのよ~。もうウザくってこまっちゃう」なんて会話が、なかばホンネで交わされてることもあるのです。

まるでお父さんが家にいるのが、迷惑だといわんばかりのお言葉ですよね(涙)。

そういうお母さんをいつも見ていると、いつしかお子さんまでが、お父さんを軽視していくようになってしまいます。

そんな態度でいられたら、いくら家族を愛するお父さんでも「自分は何のために働いているんだろう」と情けなくなってしまう気持ち、無理はないです。

ですからあえて申し上げますが、お父さんは、家族の中において、僕(しもべ)でもなければ、邪魔な存在でもありません。

お父さんは、家族を守っている大黒柱なのだという、自尊心を捨てるべきではありません。

お父さんがいなくなったら、家族は安心して生活していくこともできないではありませんか。

それだけ、お父さんの存在は家族の中において大きいのです。

ただ、念のために言っておきますけど、だからといって、「誰のおかげでメシが食えているんだ」などどいう、傲慢な態度で接するというのとは、もちろん違いますよ。

違うんですが・・・・

もしもあなたが、「お父さんなんかいてもいなくてもおんなじよ」みたいな目で、奥様やお子さんに見られているとしたら、やはりそれは正していく必要があると私は思います。

ただ、私がご相談を受けた事例の中には、「自分が家族の中にいない、疎外されている」と感じている方でも、実は単なる自分の思い込みだったり、逆に自分自身がその状況を許していたり、自分が孤独でいることを望んでいた、というような場合もありましたので、あなた自身がそうでないか、いちど自己チェックしてみてください。

「だってお父さん、いつもひとりでいるでしょ」とか、「お父さん、いつもウチにいないじゃん」なんて、家族に素で言われてしまうようでは、存在が薄くなっても無理はありませんよ。

もちろんお仕事が忙しいことはよくわかります。

でも、猫だって、なかば強引に自分の存在をアピールするんです。

「俺の存在、家族の中にないんだよなぁ」とため息をつく前に、「おれはココにいるぜ!!」という覇気を出して、胸を張って生きている姿をちゃんと見せてあげようでありませんか。

背中を丸めて、とほとぼ帰ってくる姿なんて毎日見せられたら、いくら家族だって愛想をつかしますよ。

あなたのことをカッコいい、ステキな人、と思ってくれたから、奥様は結婚してくれたはずですよね。

そのことを後悔させてはダメですよ。

当時のあなたを取り戻して、かっこいいシブいオヤジになって、奥様やお子さんを見返してあげようではありませんか(^^)v