夫をカスタマイズするということ

イラスト夫婦問題のご相談をいただいたとき、私はよく、『ご主人はあなたがカスタマイズしてください』という話をします。

男性と女性は思考や心理にそれぞれ独特な傾向があり、はじめから全てを分かり合うことなど到底できません。

ご主人があなたのためにしてくれたことが、必ずしもあなたにとってうれしいこととは限らないし、ご主人にとっては些細なことでも、あなたにとっては許せないことだってあるでしょう。

そんななかで、「どうしてわかってくれないの?」と不満を感じたとしても、ご主人はどうしたらいいかわからないのです。

「こんなこともわからないなんて、男ってどうなってんの?」と思われるかもしれませんので、ちょっと男性と女性の思考について話をしたいんですけど、男性の思考っていうのは、いわば一本道の高速道路みたいなものです。

できるだけ高速で移動すること、目的地に最短で到達することがもっとも重要なテーマだと考えています。

そして、そのシンプルな思考傾向ゆえに、複雑な道路事情をあれこれ同時に判断することは苦手です。

一方、女性の思考は、信号が5つあるスクランブル交差点みたいなものです。

一度に信号が変わって交通の流れが変化しても、そのひとつひとつを把握できるし、対応していくことができます。

これはどちらが優れているとか、どちらが有利か、という問題ではありません。

男性と女性とでは、それぞれが、別なタイプの思考をする脳を持っているということなのです。

そしてそれは、ふたりが出会い、恋人同士となり、結婚して夫婦となったあともかわらずに、影響を与え続けていきます。

男性はおおむね察しが悪く、女性と比較して思考が浅はかな傾向がありますから、あなたが『こんなときはこんな風に言って欲しい』『こんなふうに気をつかってほしい』と思っても、彼はどうしていいかわからないし、あなたの期待と真逆な反応を示されたり、気のきかない無神経さに頭にくることもあるかもしれません。

ですから、まずはご主人をカスタマイズして、あなた仕様にしていくことが必要になるんです。

つまり、彼のしたこと、言った言葉に対して、あなたがどう思うのか、どんな表情でどんな言葉を発し、どんな態度をとるかをちゃんと伝えてあげることです。

それによって、彼はあなたが喜ぶこと、悲しむこと、怒ること、言ってよいこと、言ってはいけないこと、その時々の態度や振る舞いのしかたに至るまで、データペースを蓄積し学びながら、いわば「男を磨いていく」のです。

逆に言えば、そういう経験がなければ、彼はいつまでたっても、あなたを理解する事が出来ません。

結婚するということは、言ってみれば、あなたのご主人をあなた仕様にカスタマイズしていく作業がもれなくついてくる、というわけです。

そしてその努力はあなた自身にも恩恵をもたらし、二人の関係はより深く強い絆で結ばれることにつながっていきます。

さらには、あなたもご主人を理解することができるようになり、彼がどう考えているのか、何を求めているのかということも理解できるようになりますから、あなたは彼の言葉、態度、反応に振り回されることがなくなり、無駄な喧嘩もなくなりますし、ひとまわり大きな器で彼を見ていくことができるようになるでしょう。

でも、ひとつだけ注意していただきたいことがあります。

それは、あなたが彼をカスタマイズするときには、最終的に「彼の理解と合意のもとで」ということです。

決して、彼の意思を無視して、彼を好きなように改造できる、または改造してよい、ということではありませんから、くれぐれも誤解しないでくださいね。

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