ついマイナス思考で考えてしまうとき

『私はマイナス思考なので、なんでもすぐに悪く考えるところがあって……』というご相談をいただくことがあります。

確かに何でも否定的に考えてしまうことは、あまり良いこととは言えませんが、マイナス思考を自覚されている方は、逆にそれを『プラスの面』として生かすこともできます。

たとえば、マイナス思考の方は、あまり楽観視しないぶん、物事が困ったことになる前にさまざまなリスクを考えて、あらかじめ対策を講じることに長けています。つまり、マネジメント能力や危機管理能力が非常に高いということです。

また、『いろいろ悪い想像をしてしまう』というのは、それだけ頭の回転が速く『先を読む』ことができるということでもあります。

実はこういう気質の方は、優れた秘書やマネージャーとして能力を発揮したり、管理職や経営者としても成功する方が多いです。

ですが、物事にはメリットとデメリットがあるように、マイナス思考の方の傾向として、少々困った一面もあります。

それは、悪い想像が過ぎてやたらと悲観的になったり、『失敗したらどうしよう』と心配しすぎたり、思うようにいかないと自分を責めて激しく落ち込むことがあるという点です。

要は、『小石につまづく』ことが多いんです。

これは、いわばセンサーの感度が良すぎて、なんでもないことでいちいち反応して警報を出してしまう状態に似ています。

ならば、センサーの感度を落として、あえて鈍感になってみる。

最悪の事態を想像して、もしそれが実際に起こったとしても、『まぁ、それはそれでなんとかなるさ』くらいの気持ちで開き直る。

つまり、『腹を決める』ということです。

腹を決めたうえで、どうしたらリスクを回避できるかを考えて、今やるべきことをきっちりやっていく、と考えたほうが、あなた本来の能力を発揮できるはずです。

マイナス思考の方ほど危険を早く察しますが、慌ててはダメです。それは、単なるパニックでしかありません。

危険を知る能力が高くても、対応する能力が低ければ、危険の回避はできません。

そして、たいていの場合、そう簡単には最悪の事態にはなりません。

もともと無謀な人が無謀な運転をするのと違って、マイナス思考の人は基本的に安全運転ですし、本当に危ないときは放っておいても自動ブレーキがかかりますから、あまり神経質にならずとも大丈夫です。

それよりも、不安な時こそ『いかに自分をコントロールするか』ということのほうが大事なポイントになってきます。

(これはマイナス思考でない方も同様ですね(^^;))

 

問い合わせ