夫と共依存してしまう妻

共依存と聞くと、読んで字のごとく『共に依存しあっている状態』、、、、という風に思いがちですが、実は少し違います。

共依存とは、自分自身に焦点を当てておらず、自分以外のことに頼っている状態をいいます。

たとえば、夫に過剰に尽くしてしまうとか、夫の身に生じた問題に対して、自分のことをそっちのけで、夫本人よりも懸命に解決しようとしたり、夫のためならどんなことも厭わずにできる、みたいな。

一見、夫を深く愛してやまない妻の姿に見えますが、こういう心理状態は、逆に夫が認めてくれないと、自分の価値がないように感じたり、夫の言葉に振り回されて、自分を見失ってしまうこともあります。

夫のほうも、いつも妻が尽くしてくれるので、その状態に依存してしまい、自分で自身を見つめることができなくなり、『今どういう状態になっているのか?』という自己分析力が低下してしまいます。

当然ですが、自分の責任についても自覚できず、必死になって問題を解決しようとする意欲も姿勢も持つに至らず、結果としてはなんでも妻まかせ、妻に丸投げということになりやすいです。

でも、妻がその分必死になって問題解決に勤しむため、とりあえずその状態は回避できますが、結局また同じ問題が起きたり、根本的な問題がいつまでたっても解決しなかったりします。

つまり、面倒を見ないではいられない妻と、自分でやらなくても何とかなる夫との間で、『共依存関係』ができあがってしまうわけです。

日本の女性は、我慢して夫に尽くすことが妻の努めだと考える方が多いため、共依存になりやすいといわれます。

妻としては、夫を愛しているからこそ、という思いでやってしまうのですが、夫はそれを当たり前と思うようになり、何か問題がおきても妻に丸投げして、我関せず、になってしまうこともあります。

要するに、大人の男性として、『自分のしたことに責任を持つ』とか『自分に関して生じた問題は自分で解決する』いう、あたりまえのことができくなくなってしまう『ダメ夫』になってしまう危険が大変高いです。

共依存の症状はいろいろとありますが、ここでは根本的なことにだけ触れておきます。

共依存にかかっていると、自分自身の確立ができなくなります。

そのため自分に自信がなく、『人に認められたい』『人に評価されたい』と思い、身近な人のことで一生懸命になって、自分の存在価値を認識しようとします。

また一人でいると見捨てられてしまうのではないかと不安になることもあります。

そして、自分が何のために生きているのか、自分の存在意義はなんなのか、つまり自分の人生の目的やあり方について認識が浅いので、自分を大切にできなくなります。

逆にいえば、そうした認識をしっかり持って、自己の確立ができるようになることが、現状を変える第一歩となります。

 

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