離婚が決まると、子どもはむしろ安心する!?

タイトルを読まれて、『えっ!?』 と思われますか?

これは決して、お子さんがあなたがたの離婚を望んでいる、という意味ではありません。

もともと母と子は、互いの「気」を感じあいます。

つまり、お母さんの発する『気』がお子さんとリンクしているため、お母さんが辛いときはお子さんも辛いし、お母さんのストレスはそのままお子さんに伝わっていきます。

だから、「どうしよう、離婚するしかないのかな?でも、この先どうしたら……」と悩んでいるうちは、たとえ離婚について打ち明けていなかったとしても、あなたの「気」は感じますので、お子さんも少なからず不安を覚えます。

でも、お母さんが腹をきめて、「もう無理、この人とは別れよう」と決心すれば、お子さんも「うん、それでいいと思うよ」と理解して、むしろ安心してくれることが少なくないのです。

ただ、だからといって、軽い気持ちで「お母さん、離婚しようと思うんだけど」とお子さんに打ち明けても、それをお子さんが認めてくれるかというと、それはないでしょう。

子どもは親の心情を驚くほど的確に把握し、どこまで頑張れるか、どこからが限界かを、とてもクールに見ているところがあります。

なので、まだ余裕がありそう、まだ頑張れそうと思ううちは、『絶対に離婚なんてイヤ!』と猛烈に反対されたりします。

ところが、いよいよ耐えがたい状態になって、このままではお母さんが壊れてしまう、おかあさんがもたない、と判断したら、お子さんの言うことが180度変わることが、実はよくあります。

つまり、今まで離婚は絶対反対だったお子さんが「もういいよ、お母さん。離婚しても大丈夫だよ」と逆にお母さんの背中を押してくれるようになるのです。

これはもちろん、すべての親子に言えることではありません。

子どもの反応もさまざまですし、中には母親の気持ちにまったく理解をしめさない子もいますし、お子さんの年齢や理解度によっても反応は違います。

親の気持ちをすべて理解できる子どももいません。

あくまでも、子どもは子どもの目線でしかものを見ませんからね。

ただ、家族として今の現状が危機的であることは、子どもながらに感じてはいるでしょうから、ひとつの前向きな手段として離婚を考えることは、最終的には理解を示してくれるのではないかと思います。

そして、あなたがどうして離婚を考えているのか、離婚したあと家族はどうなるのか、これからの生活はどうするのかといったことをきちんと説明し、お子さんの納得を積み重ねていくことが大切です。

離婚は親の都合ですることですが、生活は子どもを巻き込んでの大変化を余儀なくされますので、かなりの部分を子どもの都合にあわせることが必要になってきます。

子どもの都合でものを決めようとするときに、子どもに相談せず、子どもの理解を得ずして話は進みません。

もちろんこれは、お子さんの年齢によって理解度も違いますし、説明できる内容にも限界はありますから一概にはいえませんが、ここを置きざりにすると、子どもは強烈な疎外感を感じます。

場合によっては、親のことを身勝手で一方的だと誤解し、批判的な態度をとることもあります。

なお、幼いお子さんには、言葉よりも気持ちを伝えて安心感を与えてあげることで、精神的に安定した状態を作ってあげましょう。

あえて説明が必要なときは、父親の悪口や否定的な言葉は避けて「パパと離れて暮らすようになっちゃうけど、パパは今までどおり、あなたのパパだし、これからもいつでも会えるのよ。すっかり心配かけちゃったけど、大丈夫。あなたが支えてくれたおかげよ、ありがとう」といった言葉をちゃんと伝えることも大切です。

ちなみに、離婚後に別れた元夫に対して子どもを会わせることに抵抗を示す方が多いです。

たしかに「やっと落ち着いたばかりなのに父親に会わせるなんてしたくない」と拒否したくなる気持ちもわかります。

これはもちろん、離婚理由にもよりますし、夫がDVやモラハラの場合は論外なのですが、一般論としては、子どもに会わせる事が約束であれば会わせないわけにもいかないでしょうし、子どもにとって、父親に会える機会を奪うことはよいことではありません。

離婚後も、お子さんはあなたをお母さんと呼んでくれるでしょう?

同じ様に、お子さんは、元夫をお父さんと呼びたいのです。

その気持ちも、わかってあげてください。

それに、元夫と会わせないようにするあなたのことを、お子さんがどう思うかということも考えてみてください。

ただし、面会を求める以上、父親のほうもしっかりとした自覚を持ってもらうことは言うまでもありません。

よくあるのが、父親のほうが、忙しいからとか、あまり話すこともないからと言った理由で、子どもとの面会を避けたり、時間を減らしてくることがあります。

父親と会えるのを楽しみにしている子どもにとって、こうした父親の態度や様子の変化は、とても悲しく辛いものです。

たとえ父親にそのような意識がなくても、「ボクのことなんか、もうどうでもいいんだ」と子どもに思わせる結果となります。

ですから、父親として面会を望むなら、途中でそれを放棄したり、子どもを拒むようなことは絶対にすべきではないし、もしもその懸念があるなら、初めから面会を認めないほうがむしろ良いかもしれません。

いずれにしても、愛情表現は義務ではなく、心からあるべきものであり、それを怠ることは親子の絆を損なうばかりでなく、子どもの情緒にもとても大きな影響があることを、双方の親が理解することが必要です。

これらのことがしっかりと守られるなら、子どもが離婚後も両方の親との交流の機会を与えられ、これまでと変わらない愛情を父母双方から得られていくことは、子どもの人格形成を形作るうえでも、大きなプラスになると考えられています。

 

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