主婦A子さんから頂いたご相談です。
『夫は相手女性と別れると約束してくれましたし、夫の態度や様子からも、反省していることは見てとれます。
でも、どうしても私の心がまだ夫の浮気を『過去のこと』にできずにいます。
辛い思いがフラッシュバックしてきて、つい夫を責めてしまうのですが、夫はうんざりした様子で、「またその話か?」「いつまで言うつもりだ?」「信じられないのはお前の勝手だ」「これ以上どうすればいいんだ?」と逆ギレする始末。
本当は信じたいのに、信じられなくていさかいが絶えません。
どうやったら信じられるようになるんでしょうか?』
【ワンポイントアドバイス】
A子さんのように、浮気された苦しみや悲しみがフラッシュバックしてくるということは、決して珍しいことではありません。
むしろ、ほとんどの方がその経験をお持ちです。
普段は忘れたように振る舞っていても、辛かった当時のことが突然思い出されて、いいようのない不安や疑いを感じたり、夫に対して怒りをぶつけてしまうこともあります。
その頻度は少しずつ治まってはいきますが、早い方でも半年、普通は1年から1年半くらいの間続いてしまうほど、妻が受ける心の傷というのは深く、回復に時間がかかります。
ところが、浮気をしていた夫のほうは、極端な話、相手女性と別れた次の日からはもう「終わったこと」と思っています。
「別れたんだからもういいだろう。いつまで言い続けるつもりなんだ?」と、自分がやったことを棚にあげて、妻に対して腹を立てたり、冷たい態度をとることもあります。
もちろん夫のほうも、浮気した自分が悪いことは頭ではわかっていますが、それによって妻がどれほど苦しんでいるかということまではなかなか理解できないですし、心から反省したり、後悔するというよりも、まるで駐車違反を見つかって切符を切られるときのように、「しかたなく」という心境でいることも多いです。
ただ、夫のほうも、それなりにではあるけれど頑張っていて、たとえば、早く家に帰るようになったり、家族サービスや家事を手伝ったりして、『もうこれでいいだろう?』と一方的な価値観で、妻に対して罪滅ぼしができたと思っていることもよくあります。
だから、頑張っている自分を認めてほしいし、「俺だって精一杯やってるんだ。これ以上どうしろってうんだよ?」という苛立ちが募っていってしまうわけです。
ところが妻は、そんなものではどうしようもないくらい心が深く傷ついているので、夫が少し頑張ってくれたくらいでは、どうにもならない。
私がよくたとえ話としてするんですけどね、それって、深さ1センチくらいあるような傷を、バンドエイドで直そうとしているようなものなんですよ。
それだけ夫と妻の間では、意識に大きな差があるってことなんですよね。
ただ、フラッシュバックで悲しくなってしまうのを、無理に抑え込んだり、平気な顔で装っている必要はありませんので、むしろ、そういう感情はしっかり表に出したほうがよいと、私は思っています。
ただ、気持ちが少し落ち着いたら、「ごめんね。ときどき自分でも気持ちが抑えられなくなるの。もう少し、時間がかかるかもしれないけど、待っててね」といったフォローを少しだけ入れてあげてください。
そういう言葉があるだけで、ご主人はあなたの気持ちを理解できるようになっていきますからね。