ドイツの神経科学の専門家、ルネ・ハーレマン博士の研究により、「オキシトシン」というホルモンが、男女間の信頼関係や愛情を向上させる効果があることがわかってきました。
オキシトシンが十分に分泌されていると、心の安心や幸福感が感じられるために夫婦関係もよくなり、浮気もしなくなる、夫婦の絆も深まるというのです。
このことは時折、テレビでも取り上げられるようになりました。
それだけ注目されているホルモンなのでしょう。
オキシトシンは、ボディタッチやハグやキスなどの『触れるコミュニケーション』があったときに分泌されることがわかっています。
あと、目を見つめながら話し合う、というのでもよいそうです。
ただ、ふだんあまりコミュニケーションがないご夫婦で、いきなりハグやキスをするのは恥ずかしい、かえって嫌がられそう、という場合もあります。
そういうときは、たとえば買い物に行くときにさりげなく手をつなぐ、軽く腕を組んでみる、寝る前に少しの時間だけ手をつないで寝てみるというのでもよいですし、わざと腕が触れあうくらい狭くるしい居酒屋のカウンターなどで一緒に並んでお酒を飲む、というのでもよいです。
中には、寝る前に軽くマッサージをしたり、肩をもんであげるとか、『手相の見方を教わったから見てあげるね』とかいって、夫とスキンシップをとっている方もいらっしゃいます。
現代社会は、オキシトシンが分泌されにくい環境が増えているといいます。
パソコンに向かって一日中仕事をしているとか、直接会わなくてもメールで用が済んでしまうなどの環境が、コミュニケーション不足=オキシトシン不足となってしまうことがあるからです。
夫婦関係においても、ほとんど会話もない、キスどころか触れ合うことすならない、というご夫婦の場合、慢性的にオキシトシンが不足してしまっている場合もあります。
そうすると、いつしか夫婦における愛情や信頼関係に陰りが出てきて、夫婦で一緒にいるだけでもなんとなくストレスを感じたり、ちょっとした感情のぶつかり合いからイライラや不安感が募ってしまうことも。
そんなときに、別な女性が現れて、ボディタッチのひとつでもしてくれば、妻との間では得られなかった幸福感を感じて、たちまち相手女性に気持ちが傾いてしまうことがあるかもしれません。
実際、浮気をした夫が、燃えるような恋心よりも、むしろ安らぎや癒しを相手女性に感じた、といったことを口にする場合がありますが、これも、互いに触れ合うことによるオキシトシン効果が影響している可能性があります。
つまり、夫婦関係のコミュニケーションを日ごろからとり、こまめなスキンシップによってオキシトシンを分泌させるように心がけていくことで、浮気予防になる、ということなんですね。