妻にコンプレックスを持つ夫

夫が浮気をする背景のひとつに、妻に対してコンプレックスをもっている、ということがあります。

たとえば、共働きで妻のほうが収入がある、妻のほうが学歴が高い、周りの人から評価されているなど、妻と自分を比較して劣等感を感じているわけです。

そういう夫の場合、妻が何気なく口にした言葉に深く傷ついて、その一言をいつまでも根に持ったり、自分の気持ちを打ち明けることができずに、不満やストレスを抱え込んだりして、精神的なバランスが崩れてしまっていることも珍しくありません。

ところが、実はそういう男性に限って、心の中では妻によく思われたい、妻に認められたい、妻にとってヒーローでありたいと思っている傾向が見られます。

自分自身が、実物大以上の自分をもとめてそのギャップに苦しみ、その一方で妻のほうが仕事ができるとか、稼ぎがいいとか、やもすると自分より精力的(アクティブで充実している)なことにすら劣等感を感じて自信を無くしていったり、逆に妻に批判的な態度を見せるようになってしまうこともあります。

また妻のほうも、夫に叱咤激励するつもりで「もっとしっかりしてよ」とか「どうしてできないの?」などとつい言ってしまうことがあって、それを『自分は愛されてない』とか『見下されている』というふうに勝手に解釈して、妻を避けるようになってしまうこともあるのです。
(妻以外にも、親や姑から批判されたり、兄弟が優秀で差を見せ付けられたような場合にも、同様の反応を見せることがあります)

妻に対して自信がなくなると、自分を認めてくれる他の女性を心の拠り所にして、それが浮気につながっていくケースも実際にあります。

事例としては、職場の同僚などに優しくされたり、悩みを聞いてもらったりして、『受け入れられている』という実感を感じていく中で、相手に好感をいだいていく、ということが多いようです。

こういう場合、浮気をしたこと自体を責めたり、相手と別れさせようとかするだけでは、夫の心は妻のもとになかなか戻ってきません。

浮気はもちろんやめてもらわなくてはいけないのですが、夫自身の気力の弱さというか、メンタル的なパワー不足があると、コンプレックスをバネにして頑張るとか言う以前に、そもそも妻と向き合うことからも逃げてしまったり、「こんなダメな俺とはもう離婚してくれ」などと言い出しかねません。

こうした夫については、思考の切り替えや価値観のレベルあわせなどの対処を行って、劣等感からの開放をあわせて進めていくことが必要です。

妻にコンプレックスを持つ夫 その②