ご相談いただく中で、浮気をやめない夫について、ある方がこうおっしゃいました。
「夫がどうしても、相手女性のほうを選ぶというなら、私は身を引くつもりです。」
つまり夫が離婚を求めてくれば、それに応じるということですが、ご主人のほうは願ったり叶ったりでしょうけれど、この方は、本当にそれでよいのでしょうか?
私がそのことをおたずねすると、「わかりません。でも、夫が私と一緒にいられないというなら、しかたがないですもの……」
さみしそうに答えたあと、彼女は電話口の向こうで泣いていました。
浮気とは、どれほどまでに大切にすべき人を悲しませ、苦しませてしまうのだろう。
どれほど無慈悲で、残酷な結果をもたらすんだろう。
私も本当に辛い気持ちになりました。
この方に限らず、もちろんあなたもそうだと思いますが、人は幸せになりたくて、愛する人と結婚します。
ご主人も、「君を一生かけて守り、幸せにするよ」という誓いのもとで、あなたと夫婦になられたはずなのです。
その誓いに有効期限などありません。
たとえどれだけ夫の浮気に苦しんでいるとしても、あなたは今でも、ご主人の「妻」なのです。
妻と言うのは、日本の法律の下で、その権利を保証され、守られた存在だということです。
夫が浮気をした場合、夫のほうから基本的に離婚を申し立てられないことはご存知ですよね?
つまり、浮気をした夫(有責配偶者)には権利がないのです。
でもあなたには、権利があります。
あなたは自分の権利を放棄すべきではありません。
いえ、別に相手を訴えろとか、慰謝料を請求しろと言っているのではないのです。
(もちろんそれもできますよ。法律はあなたに味方してくれます)
私がお伝えしたいのは、『夫が相手女性を選ぶというから自分が身を引く』というのではなく、そういう夫と夫婦でいることはあなた自身にとって幸せとはいえないから、自分の未来のために、必要な決断をする、ということなんです。
「でもそれって、とらえ方の問題ですよね?」
そうかもしれません。
でも、このとらえ方の違いが、この先にとても大きな差となって表れてきます。
浮気されたことは、とてもショックなことですし、辛く、苦しく、悲しいことです。
怒りもあるでしょう。復讐したい気持ちも無いといえば嘘になるでしょう。
それでも、このことであなたが不幸になる必要はありません。
いえ、むしろ、今苦しく辛い中にいるからこそ、あなたはこれから幸せにならなければなりません。
もし、あなたにお子さんがいらっしゃるなら、なおさらです。
ですからたとえ離婚と言う選択をするときでも、それはあなたが幸せになるための決断でなくてはいけない、ということなんです。