夫婦間の会話がない、休日などに一緒にいても、何を話していいのかわからない、という方が増えています。
原因としてまず挙げられるのは、夫のリアクション不足。
妻がけなげにテレビを見ながら話題を振ってみたり、何かと話しかたりしても、返ってくる返事は「ああ」とか「別に」とか、そんなのばっかり。
だんだん妻のほうが面倒くさくなってきて、気が付くとふたりで無言、夫と一緒にいるだけ息がつまりそうになってきて、最近はあえて休日には用事を作って出かけたりしてます、というお話もよく耳にします。
ただ、男性の場合、必要以外のことであれこれ話をするのは得意ではないため、必ずしも会話がないことを不快に思っていない場合も少なくありません。
妻としては凄まじく不満だけれども、夫のほうは別になんとも思ってないみたいな、そもそも問題意識そのものにズレが生じている場合もよくあります。
ただ、日常のコミュニケーションがほとんどない、というのはやはり寂しいですし、それこそ夫婦関係が冷めていってしまう要因にもなりますので、なんとかしたいところです。
さて、巷でよく言われるコミュニケーションの取り方として、「相手を褒める」ということがあります。
でも、『褒める』というのは、やってみると意外と難しいものです。
ひとつ間違えればあからさまな『上から目線』になりかねません。
特に、いままでコミュニケーションがロクになかった状態で、いい年の大人であるご主人を相手に、「あなたはすごいわ」とか「さすがあなたね~』なんていってしまえば、褒められれたと喜ばれる前に、『・・・バカにしてんのか?』とむしろ不快感を示されてしまう心配もあります。
ですので褒めるというよりも、何かお願いごとをして、それをしてくれたときに感謝の言葉とか、ねぎらう言葉を添えるようにして、コミュニケーションを促していくことをお勧めしたいですね。
たとえば、頼みごとをする際には、休日にご主人に力仕事や車の運転、高くて手が届かないところの整理や掃除、ご主人が得意なこと、知識を持っていそうなこと、あるいは何かの情報を調べてもらうといったことがよいでしょう。
頼むときのコツとしては、あなたが困っているようなそぶりを示して、『ごめんね。ちょっとお願いしていい?○○してくれたら助かるんだけど・・・』と言った感じでお願いすると、しぶしぶでも動いてくれる公算が大きいです。
そして、手伝ってもらったあとには、素直に感謝やねぎらいの気持ちを示すことが大事です。
ただしやりすぎないこと。
『さすがあなたね~、おかげですごく助かったわ。やっぱり頼りになるわ~』などと過剰に言うのではなく、たとえば、電球が切れているのを交換してもらったら、『明るくなって助かったわ』とか『前からずっと気になっていたの』ということを伝えて、その結果を喜んで見せることで、ご主人に『自分がやった甲斐があったな』と感じてもらうことができます。
つまり必要とされていることを実感できるのです。
人は褒められると嬉しいのはもちろんですが、必要とされていることにそれ以上の喜びや充実を感じます。
ですから、ご主人も、何かに頼られているという意識が強くなると、自分が必要とされている気持ちが強まって、『これは自分がやらないと』という自覚も芽生えていきます。
当然のように、そこには今までになかったコミュニケーションも生まれてきますし、そこからふたたび、夫婦の関係を温めていく道にもつながっていくと思うのです。