夫を浮気相手に奪われた妻の手記③

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放っておこう。

私は無視することに決めました。

ただ、もしやという思いも依然として消えず、メールは削除しないまま、残しておくことにしました。

それから一ヶ月くらいは、まるでなにごともなかったように、普通を取り繕った毎日が過ぎていきました。

あれからは、もうあの人からのメールも来ません。

でも、どうしても完全に意識の外に追いやることができず、疑いと不安が心を重くしていました。

これでは、私自身がいままでどおりの生活をすることができません。

はっきりさせなくては。

日増しにその思いが膨らんでいきました。

ようやくその決心を固めた私は、夕食後、思いきって夫にそのメールを見せました。

私自身、まるで気にしていないように振舞いながら、半分ふざけた感じで、切り出してみたのです。

「こんなメールが来たんだけど、知らない?」

夫はそのメールを見た瞬間、言葉につまり、息を呑んだのを、私は見逃しませでんした。

でも、ただ単に驚いただけかもしれない。

思いがけず、こんなメールを読めば、だれだって言葉をなくすはずだ。

きっと、夫は否定してくれる。

こんなものは知らないと、きっぱり言い切って、私を安心させてくれる。

そう思いました。

ほんの数秒だったと思いますが、沈黙が流れました。(続きはこちら)