浮気からの再出発。『でも……』と言いづける妻

夫が浮気をやめてくれて、再出発を決めたあとに、多くの方が陥りやすいことがあります。

それは、夫婦関係を修復していく過程の中で、夫が努力している様子を目の当たりにしながらも、

『でも、あのときあなたは浮気したでしょ』

『でも、あなたは私を裏切ったでしょ』

『でも、あなたは嘘をついたでしょ』

と、でも、でも、でも、、、と夫を否定してしまうということです。

浮気していた夫の姿が脳裏から離れず、目の前にいる彼を認めることができなかったり、「もしもまた裏切られたら……」と不安や怖さを感じて、つい拒絶してしまうこともあるかもしれません。

そうした感情は当初は誰でも抱くものですし、ある程度は仕方がありません。

ただ、あまりにご主人を否定し続けてしまうと、あなたの不安はますます増大してしまい、結局あなた自身が苦しみ続けることになってしまいます。

特にフラッシュバックが激しい方は、夫を否定、拒絶している限り、いつまでたってもそれが収まらず、また、ご主人のほうも、頑張っていることが認めてもらえず疲弊しきってしまい、あきらめ(あるいは逆ギレ、開き直り)モードに入ってしまうこともあります。

もちろん、ご主人自身があなたの気持ちに理解を示し、あなたが不安定な時にも辛抱強く向き合い、寄り添ってくれることが大前提ですが、そのうえで、ご主人が頑張ってくれている様子があるならば、そのことは少しずつでも認めてあげるほうがよいです。

あなたに認めてもらえれば、それが励みとなって、ご主人はより一層、あなたの心に思いを寄せてくれるようになるでしょう。

私はよく、夫婦関係を電池の充電に例えます。

夫にも妻にも、それぞれ「愛情」を充電できる電池があると思ってください。

この電池は、相手に対して「愛情」を放電し、相手からの「愛情」で充電する仕組みです。

さて、夫婦のあいだで、たとえば夫から妻に愛情が放電されたら、夫の電池はだんだん残量が減ってきます。

もしも、夫からの放電がずっと続いていて、妻からの充電がまったくなかったら、いつか夫の電池はカラになってしまいます。

そうしたら、妻もまた、夫からの充電を受けることはできなくなります。

夫婦関係の修復とは、言うまでもなく夫婦の共同作業です。

どちらが悪いのか、どちらに原因があるのかといえば、それは浮気をした方が悪いし、そっちに原因があるとは思います。でも、それでも修復はふたりでやらなくてはいけません。

修復していくためには、批判や否定ではなく、認めること。

過去ではなく、今目の前にあるご主人を認めることです。

それによってのみ、修復は可能になります。

そして、そのエネルギーの根源は愛情です。

親子なら無償の愛が存在しますが、夫婦は互いに充電しあうことがどうしても必要です。

そういう意味で、愛情は循環するものだと、私は考えています。

 浮気した夫を許そうと思えたきっかけ