これは少し前にの夫婦コンサルをしていたときのことですが、こんなお話がありました。
奥さま 『夫は約束を守ってくれません。私との約束よりも、職場の先輩の誘いのほうが大事みたいです』
ご主人 『あのときは仕方なかったんです。それは何度も謝って、、、、』
奥さま『(ご主人の言葉をさえぎり)でも、こうなるってわかっていたはずでしょう?』
不満そうに口をはさむ奥さま。
私が、何があったのかとお伺いすると、、、、
ご主人が仕事が終わって帰ろうとすると、職場の先輩に飲みに行くぞと誘われました。
その日は金曜日。明日は奥さまが数年ぶりに友達と日帰り旅行にいくことになっているので、2歳の息子さんの面倒はご主人が見る約束になっていました。
でも、先輩の誘いを断れる雰囲気ではなく、ご主人はそのまま飲み会に参加し、奥さまにはメールで、「ごめん、先輩の飲み会に誘われたから、行ってくるよ」と送っておきました。
結局、帰宅は深夜1時を回っていました。
当然ながら、奥さまはとても怒っていました。
「明日の約束を忘れたの?そんなに酔って、これじゃ子どもを任せて出かけられないじゃない!」
「大丈夫だよ。明日の朝には酔いはさめるから」
次の日の朝、奥さまが家を出る時間が迫ってきても、ご主人はなかなか起きてきません。
様子を見に行くと、ご主人は猛烈な二日酔いで頭がふらふら、起き上がることもできませんでした。
しかたなく、奥さまは友達との日帰り旅行をキャンセルしました。
ご主人『妻には申し訳ないと思います。でもあのとき、先輩の誘いを断れば、たぶん私は気まずい思いをして、その先輩との関係が悪くなってしまう気がして、どうしても断れなかったんです』
奥さま『飲み会に行くのはいいんです。でも、あんなに酔って、夜中に帰宅って、あんまりじゃないですか?牧口さんは、どう思いますか?』
さて、こうしたお話は、どこにでもあると思います。
こんなとき、ご主人はどうすればよかったのでしょうか?
ご主人のおっしゃるように、その時の状況により、先輩からの誘いを断ることが難しいときもあるでしょう。
ですが、それでも、ご主人にはふたつの選択肢がありました。
ひとつは、やむを得ず飲み会に参加しても、なるべく早い時間に切り上げて帰ること。
ふたつめは、やむを得ず帰宅が遅くなったとしても、酔わない状態で帰ること。
このどちらかを選択して実行できていたら、ご主人は翌日、奥さまとの約束を守り、息子さんの面倒を見ることができたはずです。
それとも職場の先輩は、このふたつすら許さずにご主人を拘束していたのでしょうか?
おそらくそうではないはずです。
つまり、ご主人自身が、奥さまとの約束を軽んじていた、大切に思う気持ちが足りなかった、ということになります。
その結果として、お酒を大量に呑み、泥酔して深夜に帰宅、二日酔いで奥さまとの約束を破ることになったということです。
奥さまが、『こうなることはわかっていたはずでしょう?』というのは、先輩の誘いを断れなかったことではなく、そのあとのご主人自身の行いに対して、責任感や自覚が足りないことをおっしゃっているのだと思います。
こういうことが積み重なっていくと、大好きだったご主人に対して幻滅感を抱いたり、いつしか愛情が冷めていくことにもなります。
男性には耳の痛い話かもしれませんが、警鐘を鳴らす意味で「夫婦あるある」のひとつとしてご紹介しました。