浮気が終わった後の心の葛藤

浮気が終わった後の心の葛藤に苦しむ方も少なくありません。

『夫はもう浮気はしていないと思うし、反省していることもよくわかるけれど、それでもどうしても私の気持ちが楽になれず、終わったように思えないんです』

これはたくさんの方が異口同音におっしゃっていることです。

本当なら、もう不安を感じる必要もないし、元通りの仲のよい夫婦に戻れるはずなのに、妻の心がそれを許さない現実があるのです。

ある方がおっしゃってました。

『もしも夫を信じて、再び裏切られたら、もう私の心は完全に壊れてしまいます。その不安がある限り、私は夫を信じることはできないと思います』

大切なものを二度も失ったり、壊れてしまうことは耐えられない。

再び失うくらいなら、もう求めたりしないほうがいい。

だから、取り戻すことも怖いし、夫を認めることもできない、、、。

その気持ち、私はよくわかります。

日々いただくお電話の中で、夫の浮気によって自信をなくし、何も信じることができず、疲れ果ててボロボロになっている方のなんと多いことか、、、。

これは、たとえば学校のいじめ問題などでもよく言われることですが、傷つけた側と、傷つけられた側では、その記憶に非常に大きな差があります。

妻のほうは、過去の夫がした行為をどうしても許すことができず、ある意味、そこから新たな苦しみが始まってしまうのです。

多くの夫は、数日もあれば妻がもとに戻ってくれるものと思っています。

ところが、2~3か月が経過しても、夫の前には、笑顔を忘れた妻、何を言っても信じてくれなくなった妻、突然怒り、泣き、不審と疑念をぶつける妻の姿があります。

当然ですが、妻の心が元に戻るには、1年以上にわたる長いリハビリ期間が必要ですし、それは夫の想像をはるかに超えたものになるでしょう。

そして、フラッシュバックが発作的に発生してしまうと、自分でも止められないほどに感情が暴走して、今ここで言わなくてもいいようなことを言って夫をなじったり、あのときあなたはこんな嘘を言った、こんなふうに私を裏切ったと、無性に責め立てたくなってしまうのです。

これは決して、夫に対する憎しみからくるものではなく、むしろSOSに近いものだと私は感じています。

ところがこのとき、多くの夫は、妻がどれほどの苦しみの最中にいるかをほとんど理解していません。

中には「また蒸し返す気か」と逆ギレしたあげく、わかりあうための努力すら投げ出してしまう夫もいます。

そうして、現実には夫は浮気をやめたにもかかわらず、互いの悩みはかえって深まり、夫婦の中がますます最悪なものになってしまうこともあるのです。

ここをどう乗り切るかが、浮気を乗り越えるための夫婦の課題でもあります。

これは決してたやすい道ではありません。

でも、悩みながらも本当の意味で浮気を終わらせて、穏やかな生活に戻られたご夫婦を私はたくさん知っています。

これは私がご夫婦揃っての電話コンサルをさせていただくときに感じることですが、お二人の間で、うまくやっていきたい思いは一致しているんだけれど、互いの思いがうまく通じず、誤解やすれ違いが生じていたり、頑張ってはいるんだけれど、その方向がズレていて、先が見えずに疲れ果ててしまっていることが本当によくあります。

どちらか片方だけが頑張ったり、どちらか片方だけが耐えたりするのではなく、夫は妻の苦しみや辛い心を理解するように努力し、妻は夫の努力を少しずつでも認めていくことで、お二人の時間はふたたび一緒に動き出します。

その意味で『夫婦の修復』はまさにふたりの共同作業ということなんです。

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