あなたが悲しんでいる姿を直接目の当たりにすることによって、浮気という行為が、あなたをどれだけ傷つけ、苦しめてきたことなのか、彼も視覚的に理解するでしょう。
この視覚的に理解する、ということは、かなり重要なポイントだと思います。
例えば、スーパーで万引きをして捕まった子どもが、盗みをしたこと自体については反省が足りなかったけれども、そのあとで連絡を受けて自分を引取りにきた母親が何度も頭を下げて、涙を流して謝っている姿を見て、はじめて自分の犯した「盗む」というの罪を自覚した、という話がありますが、これも、自分の行為によって、親が深く傷つき、悲しんでいる姿を見たことにより、盗むというのは、これほどいけないことなんだ、ということを視覚的に理解するということなのです。
それは大人であっても、浮気中の彼であっても同じです。
ですから、あなたが涙を流して「悲しい」ということを伝えたいなら、悲しみをムリに堪えるよりも、あふれてくる涙をそのまま彼に見せてしまうほうが、はるかにストレートで効果的かもしれません。
そうして、あなたが抱いていた悲しみ、苦しみの深さを伝え、あなたが離れて行ってしまうかもしれないという不安や孤独、それでもあなたを信じたいと思っていたこと、今でも変わらず彼を愛していることなどを、あなたの言葉で話してください。 (ただ、この時くどくならない程度に話してくださいね)
それによって、彼があなたの苦しみを理解してくれることが、二人の関係を取り戻すためにはとても大切です。
彼があなたの悲しみ、苦しみを理解して、その原因が自分の浮気にあったことも認めて、あなたの彼に対する思いの深さを改めて認識することで、彼ははじめて、浮気は二度としない、あなたを愛し続けるという誓いを自分自身の中に持つことが出来るのです。
あなたが彼を許すことも、受け入れることも、すべてはここにつながるためのものです。
誰でも、自分の過ちや罪を認めることは勇気がいることです。
もしもあなたが、浮気は絶対に許さない、と初めに彼に言ったとしたら、彼は浮気の事実を決して認めようとはしないでしょうし、そのことを謝罪したり、反省するというところまで、思いが及ぶことはないでしょう。
「浮気をされたことは辛いし、苦しいし、悲しかった。
でも、私はあなたを信じてるし、今も変わらずに愛している」とあなたが伝え、彼を許すことで、はじめて彼は自分の行為を反省して、浮気という過ちを認め、二度と繰り返さないという思考に及んでいくのです。
決めは、彼自身が、「浮気は二度としない」という約束を自分の口からすることです。
決して、あなたから、「もう浮気は絶対にしないでね」と持ち掛けないようにしましょう。
あなたにお願いされたことではなく、自分から言って、約束したということが、彼の中で重みのある誓いにかわっていくんです。
そして、二人で浮気という試練を乗り越えたとき、お互いの愛情は前よりもっと深くなっているはずです。
もしかしたら、あなたはすぐには浮気を許すことなんてできないかもしれません。
でも、これからの彼の行動や、彼があなたに示す誠意がきちんと伝わっていけば、あなたの心の傷も、彼によって癒されていくことでしょう。
そうしたら、少しずつでいいですから、彼を許してあげてくださいね。
許すことは難しいけれど、大切なことです。
二人の関係を取り戻すということは、二人の心の距離を取り戻すということ、それはつまり、あなたが彼との間にとっていた距離も、もとに戻していくということにほかならないんです。