妻が浮気した動機:相談にのってもらっているうちに……


【ご相談事例】

・家庭内の愚痴を何でも聞いてくれたり、アドバイスをしてくれる相手だったから。最初は友達という感覚だったのがいつの間にか恋愛感情に変わっていった。肉体関係は全くないですが、困った時やくじけた時にお互い会いたいって思える関係です。


【ワンポイント解説】

「はじめは友達感覚で相談した。親身になって愚痴を聞いてくれたり、アドバイスをくれる彼を好きになった」というのは、不倫をした妻がよく口にする理由です。

それは不倫に至る過程としては、そのとおりだと思うのですが、心情的な部分としては、相談する中で好きになっていった、というよりも、「相談する時点で既にその男性に好意を抱いていた」というケースが大半です。

というのは、個人的な悩みを相談するということは、本来は秘密にしたいプライバシーをある程度明かすことを前提にしているわけで、その人物に対して、そうしたリスクを上回るだけの信頼感があり、なおかつ話を聞いてほしい、自分の苦しさを理解してほしいという欲求が生じる相手であるはずだからです。

もちろんそれは、必ずしも「好意」からくるものとは限りません。

たとえば兄弟同然に育った幼馴染とか、人生の先輩ともいえる年配の男性に恋愛感情なしでアドバイスを求めるケースもあります。

あるいは専門家に相談する場合も……

ですが、プライベートな悩みを打ち明ける以上、少なくても相談する相手は選ぶでしょうし、特に異性である男性に対して、友達感覚だけでまったく警戒心を抱かずに心を開くということは、心情的にはかなり不自然なことだといえますね。

むしろ純粋に友達感覚で相談するときは、ほとんどの場合、付き合いの長い女性同士になる傾向があります。

ただ、妻自身が自分の「友達以上」の感覚に気が付いてなくて、たまたまその男性に愚痴をこぼしたら、彼が思いのほか優しくしてくれて、そこから淡い恋心に火がついてしまった、ということはあり得ます。

そしてこうした「相談」がきっかけで不倫が始まる場合、最初の決定的なモーションは相手男性のほうから起こることが多いです。

それは、相談を受ける男性側の心理として、女性から頼られて、その女性を助けている実感が得られてくると、その女性を守りたい、という感情が強まっていきますし、秘密を共有しているという心理的なつながりも手伝って、相手女性に対して恋愛感情を抱いていくことがあるためです。

そして妻のほうも、話をしっかり聞いてくれて、そのうえ自分を「女性」として扱ってくれることに喜びを得て、彼の思いに応えたいという気持ちから、不倫関係へと発展してしまうのです。

つまり、「話を聞いてくれる」ということは、女性にとってとても大事なポイントなんです。

夫婦のコミュニケーション不足、会話がない状態というのは、妻にとつてそれだけでも大きなストレスになってしまうことがあります。

日常の何気ないやりとりが大切ということなんですね。