妻が浮気した動機・非日常への欲求


夫がいて、子供がいて、毎日の生活がある。

平穏な日々、繰り返される家族との暮らし。

物足りない思いも多少はあるかもしれませんが、これはこれで幸せですし、あえてそれを壊したいという思いは、ごく一部の破滅願望のある妻を除いては、持ち合わせていないと思います。

でも、例えば他の男性から、思いがけず好意を告げられたり、女性として扱ってくれる彼のやさしさに触れていく中で、それまでの日常では味わえなかった興奮や充実感、自信、心の輝きを実感していくことがあります。

妻(あるいは母親)としての日常を離れ、女性としての「非日常」の中で、他の男性に求められていく幸せを感じてしまうのです。

でも、もちろん、非日常というのは、日常があるからこそ、非日常として存在できるわけで、非日常だけになってしまえば、それはつまり、日常と変わらないのですから、あくまでも浮気相手との関係は、日常の生活の合間に存在する清涼剤のような感覚だったします。

非日常を求める背景は、必ずしも日常が平和で、刺激が欲しいということばかりではありません。

たとえば、夫の親と同居していて気苦労が多いなど、家族関係や普段の生活のなかで不満やストレスが多いために、そのときだけは辛い日常から逃れて自由な女性に戻りたくて、非日常の中で幸せを体感したいと求めてしまうケースもあります。

それは刺激を求めるというよりも、心のガス抜き、ストレスの発散、あるいは心の逃げ場所を求めて、ということなのでしょうね。

そして日常と非日常のギャップが大きくなればなるほど、日常に戻ることが苦痛となったり、非日常の世界で得られたものに対する執着心が強くなって、離れられなくなる傾向が強いです。

いずれにしても、非日常を求める気持ちは、多少の差こそありますが、多くの妻にとってごくあたりに抱いている感情です。

非日常を求める気持ちを否定するのではなく、日常において妻が何に対して物足りないと思っているのか、何に対して不満なのか、我慢しているのか、(たとえば愛情だったり、時間だったり、ストレス発散の場だったりするわけですが)、そうしたことを理解していくことも、不倫を予防する意味で大事なことだと思います。