妻から浮気を問いただされてもまるで認めなかったり、バレてることをわかっていても全く意に介さない夫がいます。
E美さんは、これまで何度もご主人に浮気をやめてくれるように話をしてきましたが、そのたびにご主人は『ちゃんと家に帰ってくるんだからいいじゃないか』と言い返してくるそうです。
『ちゃんと家に帰ってくるって、当たり前じゃないですか?主人の言っている意味がわかりません。家に帰ってくれば、浮気じゃないってことですか?』
E美さんのご主人のような事例は実はたくさんあります。
彼らの「ちゃんと家に帰ってくる」という言葉の裏には、それなりに主張が込められています。
たとえば、相手女性と会ったときの別れ際に「まだいいんじゃない?」とか「泊まっていけばいいのに」みたいなことを言われたような場合でも、「家には帰る」という自分なりのルールは守っている。
それ自体が、「俺は相手女性よりも、妻や家庭を優先しているんだ」という誠意のカケラを含んでいるわけです。
もちろん、女性の言葉に応じて帰りが遅くなったり、泊まったりしたら、妻との関係が悪くなることは必至。下手をすると離婚されるかもしれないし、面倒くさいことになるのも困る。
だから、自分自身のためにも、時間がくれば帰ってくるし、泊まりもしないと決めているわけです。
これの変異株というか、ちょっと変化球的な言い回しのひとつに、『俺はこんなに頑張っている』というのがあります。
たとえば、相手女性に貢いでいたことを妻に咎められて、『俺は家族のためにこんなにつらい仕事を頑張っているんだ』と言ってくる夫がいます。
ここでいう『仕事』は『お金』と同じ意味があります。
つまり、こんなに頑張って働いてお金を稼いでいるのは家族のためで、君には不自由のない生活をさせてるだろ?という主張。
相手女性に使う額など取るに足らない。(俺なりの)許容範囲内なんだから『これくらい目をつぶっといてくれ』という意図があるわけです。
ちなみに、『〇〇しているんだからいいじゃないか』という言葉を口にする男性はおおむね、浮気はあくまでも『遊び』の範疇だという概念を持っています。
浮気をしても、べつに家庭を犠牲にするつもりはないし、その女性に妻を求めているわけでもないし、彼女と家族になりたいわけでもない。
だから、『おまえは妻として、どっしり構えておけ』というわけです。
もちろん、こうした夫の主張は単なる自己弁護で、なんら正当性はありません。
『俺様のルール』が妻に通用するはずがないことは、きっぱり伝えられたほうが良いと思います。
逆に中途半端に妻が容認してしまうと、それが新たな『夫婦のルール』になってしまうため、ますます歯止めが利かなくなる恐れもあります。