妻が離婚を思う時〜『私はあなたのお母さんじゃないのよ』が口癖の妻


結婚して15年が経過し、男の子ふたりのお子様がいらっしゃるAさん。

奥様とは職場恋愛で1年の交際を経てのご結婚でした。

実はAさん、新婚当初から、ず〜っと、気になっていることがありました。

それは、奥様の口癖です。

ことあるごとに、「私はあなたのお母さんじゃないのよ」と言われるのだそうです。

たとえば、ご飯のおかわりをしたいとき、お風呂にはいる前に替えのシャツやパンツを出してほしいと頼んだとき、風邪で熱を出して、なんとなく妻にそばにいてほしいとき、「私はあなたのお母さんじゃないのよ」という言葉が、もれなくセットになってついてくるそうです。

奥様のほうは何気なくいっているのかもしれませんが、その言葉を聞くたびに、Aさんは心に小さな疑問を抱いてしまうといいます。

「妻は、ほんとうに私を愛してくれているのだろうか」

そして、その疑問は、最近になって、ある確信にかわってきているのだそうです。

「妻は、わたしを愛してはいない」と。

もちろん、本当はAさんの思い過ごしであって、例のセリフもただの口癖に過ぎなくて、心の中では、奥様はAさんをちゃんと愛しているのかもしれません。

でも、そうだとしても、 その愛情がAさんに伝わっていないのです。

つまり、「妻の愛情が感じられない」という事実。

これは、夫が離婚を考える理由として、代表的なもののひとつです。

Aさんのお子さんは、中学1年生と小学4年生の男の子ふたり。

まったく手がかからないわけではないですが、つきっきりで世話をしなくてはいけない年頃でもありません。

たとえばこれが、まだ生まれて数ヶ月から、幼稚園にも満たないくらいのお子様がいて、奥様が育児に追われている状態だとしたら、話は別です。

そのころのお子さんの世話、というのは、昼間、職場に勤めている男性には想像もできないくらい、過酷でたいへんなものです。

当然ながら会社のように休憩時間もありませんし、昼も夜もありません。

たとえば夜中でも赤ちゃんが目をさませば、お母さんはオムツを替えたり、抱っこしたり、あれこれと世話をしなければなりません。(もちろん、これは奥様に限ったことではないですが)。

かといって、昼間も赤ちゃんが起きていれば、お母さんは自分だけ寝ているわけにもいきません。

育児の合間には、炊事、洗濯、掃除もこなさなくてはならないでしょうし、1日のうちで、自分の自由な時間など皆無といってよいでしょう。

ほとんど1人で外出することもできないし、気分転換やストレスの発散もままなりません。

育児ノイローゼという言葉も、あながちヒトゴトではないのです。

そんな毎日の中で、あなたの顔を見てつい当り散らすことがあったとしても、それは無理からぬことです。

ですから、そういう過酷な状況のなかでなら、奥様が「私はあなたのお母さんじゃないのよ」と言ってしまったとしても、それはどうか、わかってあげてください。

もちろん、ご主人様はさびしい思いをするでしょう。

「オレのことなんかどうでもいいのか」と感じるかもしれません。

でも、どうか我慢してあげてください。

それは、奥様があなたに愛情がないわけではなくて、