男の離婚~何を守るべきか、が明確ですか?
普段は何気なく一緒に暮らしている夫婦。
平凡ながらも幸せが当たり前の生活を送っていると、夫婦であることのありがたさがわからなくなってしまうことがあります。
充分に幸せでありながら、それが見えなくなって、ほんの少しのすれ違いや、一時的な波風が許せなくて、
それらをすべて離婚というカタチでリセットしてしまおう、と考えてしまうことがあるのです。
離婚の理由はさまざまです。
性格の不一致が理由の人もいれば、浮気が原因の人もいれば愛情がなくなったといって別れる人もいます。
本当は別れたくないんだけど、借金やギャンブルで生活が破綻してしまって・・・という人もいます。
私の友人に、バツイチ経験者の男性がいます。
彼は21歳で結婚して、男の子がひとりいましたが、29歳のときに、自分の経営する飲食店が失敗したことがもとで、1200万を超える借金を作ってしまい、その返済のために、どうしても家族と離れて収入の多い仕事に就かざるを得ず、数年間の別居生活が続いたあとで、離婚という選択をしました。
彼は毎日2つの仕事を掛け持ちして死に物狂いで働き、借金そのものは、わずか4年で完済できたのですが、その代償として、家族という大切な存在を失ってしまいました。
彼はそのことを、今でも悔やんでいるようです。
本当は離婚なんてしたくなかったんでしょうね。
実は彼は、借金を完済したら、あらためて奥様と再婚し、やりなおしたかったそうですが、そのときはもう、奥様には別の男性がいたそうです(涙)
彼は私によくこういいます。
「牧口さん。牧口さんは幸せですよ。奥さんがいて、ご飯を作ってくれて、一緒に買い物に行ったり、一緒に映画を見たりできるじゃないですか」
「う、うん。そうだね」と私はいつも生返事を返すのですが、彼の言葉の中に、私はいつも気付きを得るのです。
ほんとは、夫婦なら、何気ないことですよね。
奥さんがご飯を作ってくれて、それを一緒に頂いて、休日に一緒に買い物にでかけたり、たまには奥さんの見たい映画につきあったりするのも、夫婦なら、まぁ、普通にやることですよね。
小さなお子様のいるご家庭ならば、日曜日にどこかに遊びに連れていくとか、子供の誕生日にはケーキやオモチャを買って帰るとか、毎日の暮らしの中で、わが子の成長を見守って行くとか・・・・
そんなことも、ごくごく普通のことなんですよね。
でも、ひとり身でいる男性(特に家族を望んでいる男性)にとって、そうしたことはとてもうらやましく、ある意味、憧れだったりするのです。
彼らから見たら、あなたは充分に満たされている人なのかもしれません。
あなたは充分に、うらやましい存在なのかもしれません。
あなたがその“宝物”に気付いていないだけなのかもしれません。
人は失ってみてはじめて、それがどれほど大切なものだったかに気付くものです。
今は離婚したいとお考えのあなただって、離婚したあとで初めて、奥様のありがたさや、大切さに気付くことになるかもしれません。
「離婚なんてしなければよかった・・・・」そう後悔されることがあるかもしれません。
もちろん、奥様側にもそれは言えることです。
普段、「愛情を注いでくれない」という奥様は、日常の忙しさやあたりまえに生活の中で、あなたのことがどれだけ大切であるか、気が付いてないのかもしれません。
それは逆に言えば、今、満たされているからこそ、そうなのでしょうけどね。
前述の私の友人は、借金という理由で離婚に至ったわけですが、私も離婚にこそ至っていないものの、過去にはかなり、妻に対して苦労をかけたクチです。
もしかしたら、多分今も、かなりの苦労をかけているかもしれませんが(汗)
でも、振り返ってみて思うのは、そのとき妻がいてくれたからこそ、私はその苦しみに耐え、乗り越えることができたのだということです。
そして、その経験があったおかげで、私の中で、妻の存在はなにものにも代えられない、大切な存在であるという揺るぎない確信に変わっています。
自分が苦しいときに、その苦しみを理解してくれる人がいるということは、どれだけの救いになるか、どれだけ勇気を与えられるか、どれだけ希望をもって生きていけるか、計り知れません。
あなたの人生において、奥様やお子様は、大切なもののベストスリーにちゃんと入っていますか?
「う~ん、100番目以内には入ってるけど・・・・」なんて言わないでくださいね。
他のものは、代用が利きます。なくしても、取り戻せます。
家も、車も、仕事も、お金も、失っても、また得ることが出来ます。
無くしても、なんとかなります。
でも、家族は違います。
愛する人は違います。
もちろん、離婚しても再婚することはできるでしょう。
でも、それは代用できるものではありません。
失ってしまった家族は、ほとんどの場合、もとどおりにはなりません。
離婚によって、もっと幸せになれる可能性は確かにあります。
後悔しない離婚は、確かに可能です。
でも、そのためには、あなたの幸せのために、どうしても失うことの出来ないもの、あなたの人生において、どうしても欠かすこと出来ないものが、守りきれるかどうかが問題です。
たとえば、それがあなたにとってお子様であるならば、離婚したあとでも、あなたとお子様の関係が、
いままでと変わらず保たれていくことが絶対に必要です。
離婚というリスクを犯すことは、それを失う可能性があるということを理解するべきです。
もし、どうしてもそれを受け入れられないならば、それを他の何かと引き換えにするべきではありません。
離婚するにしても、しないにしても、「守るべきものは何か」が、あなたの中で明確でなければならない、ということなのです。