浮気相談:不倫とセックスレスについて

イラスト先日、電話相談のなかで、こんなお話を伺いました。

主人の浮気が発覚して、問い詰めたら肉体関係があったことも認めました。私とはずっとセックスレスだったので、とてもショックでした。主人は、以前に私からセックスを拒まれたことがトラウマになってて、他の女性に相手を求めていたと言っています。私は主人を拒んだつもりはなく、ただ、疲れていて、求めに応じる気になれなかっただけだったのですが……」

この方のように、夫から『オレが浮気をしたのは、お前がセックスを拒んだからだ』といわれてしまったケースは珍しくありませんし、私のもとにご相談いただく男性の中には、ご自身が浮気をしていることを告白されつつも、『妻がセックスに応じてくれません。私はセックスなしではいれないので、ほかの女性を求めるしかないんです』といったことを仰っていた方もいらっしゃいます。

もちろん、夫婦といえどもセックスは義務ではないですし、様々な状況(たとえば妊娠中や出産直後だったり、子育てや家事でクタクタだったり、もちろん愛情が冷めてしまった場合も、、、)のなかで、妻が夫の求めに応じられなかったとしても、それで浮気をして良いはずがありませんが、『妻にセックスを拒まれた』ことでプライドが傷つき、自分自身を否定されたような感覚を抱いて浮気に走る男性がいることも確かです。

もともと男性は、妻に対して、『自分のことを受け入れて欲しい』という欲求は少なからず持っているものです。そして、本人はそんなことはまったく自覚していないかもしれませんが、セックスという行為を通して、妻が自分を受け入れてくれることを確かめているところもあります。

もしもそこで、妻から「ちょっと、やめて!今はそんな気分じゃないの」とはね付けられたりすると、彼は内心、とても大きなショックを感じるでしょう。

こういったことの回数がかさんでくると、「なんでだ?俺のことを愛してないのか?俺が嫌いなのか?俺じゃダメなのか?」と、セックスできない理由よりも拒まれた事実に傷つき、「もう妻とはセックスをする気になれない」と、夫のほうが拒絶する側に回ったりすることもあります。

これは、夫が妻の言葉を誤解して、勝手に傷ついているだけだったりするのですが、これがもとで夫婦関係が冷え込んでしまうことも実際にあります。

また、セックスレスに悩んでいる方は、単に『セックスレスであること』だけを問題にしていることが多いですが、セックスは究極のスキンシップですので、セックスレスを解消するには、それ以前のスキンシップがしっかりあることが大切なポイントになります。

お電話でお話を伺っていると、普段から会話をしたり、顔を見て笑いあうなど、基本的なコミュニケーション自体があまりないご夫婦もかなり見受けられます。

また、私が『(散歩や買い物のときなどで)ご夫婦で手をつないで歩くことはありますか?ほんの5分でもいいんでけど』とおたずねすると、「そんなの、新婚のとき以来全然ないです」という方がたくさんいらっしゃいます。

普段から手をつないだり、ハグをしたりキスをするといったスキンシップがほとんどないご夫婦が、セックスレスを解消するのは、登山経験のない人がいきなり富士山の頂上に登ろうとするのと同じで、絶対無理とはいいませんが、とてもハードルの高い話になってしまいます。

逆に言えば、セックスレスではあるけれど、普段から日常のコミュニケーションやスキンシップがしっかりあって、愛情深く仲のよいご夫婦もたくさんいらっしゃいます。

中には、「セックスレスの夫婦なんて、夫婦関係が破綻している」とか「そんなの夫婦じゃない」と考える方もいらっしゃいますが、あくまでもご夫婦の価値観として『セックスありき』ではなく、互いを大切に思いあう、相手の求めていることを理解しあう、というところがあってこそ、セックスレスに対する悩みもまた乗り越えていけるのではないかと思います。

 

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