離婚にともなう子どもの喪失の心理について

親の離婚によって、一方の親と離ればなれになり、これまで住み慣れた家を出て、慣れ親しんだ町並みを離れ、学校を転校し、友人と別れ、知らない町でまったく新しい環境の中で暮らすことは、子どもにとってたいへん大きな不安と淋しさを与えます。

いくつもの大切なものを失い、環境が大きく変わることで、一言で言えば「とんでもなく心細く、不安を感じる状態」になります。これを喪失の心理といいます。

そして淋しさのあまり、離婚したことは親子の間でタブーとして会話に出さないようになりがちです。

でも、場合によっては、その淋しさを乗り越えるために、あえて子どもと話し合うということも大切なときがあります。

もちろんこれは、お子さんがそれなりの理解ができる年齢に達していることが前提ですが、環境が大きく変わった中で、お互いにさまざまなストレスを感じています。

あなたとお子さんの間で意思疎通が充分にできていないと、そのストレスが壁になって、お子さんはあなたに本心を語らなくなってしまうかもしれません。

タブーがあることは別に構いません。

ただ、気になることがあっても口にできず、悩みがあっても黙するしかなく、健全なコミュケーションがとれなくなってしまうとしたら、それはやはり問題です。

ですから、ひとつひとつの話に触れる必要はないですが、たとえば今後の生活について、何も心配する必要はないことを伝えたり、もしも不安を感じたり、心配なことがあるなら、いつでも、どんなことでも話をするように言ってあげてたりして、思いを通わすことは意識してあげてください。

また、幼いお子さんの場合は、不安や淋しさのあまり、いままで以上に甘えたがったりすることかあります。

子どもも気持ちが落ち着くまでにはしばらくの時間が必要ですから、その間は大目に見て、多少は甘えさせてあげることも必要です。

ただ、子どもをかわいそうに思うあまり、親のほうがあれこれとかまいすぎて、子どもの自立を損なうことがないように注意してください。

また、環境の変化に適応できてると、逆に気持ちにゆるみが出て、あなた自身が様々なものを失ったことによる悲しみから喪失の痛みが及ぶこともあります。

仕事や子育てが忙しいことは、余計な思考を止めるため救いとなるものですが、それでもやはり、時として急に気分が落ち込んだり、無性にイライラしたり、辛い思い出が急に蘇ってきて、涙が止まらなくなったりすることがあるかもしれません。

これはいわば、あなたの心が悲しみを発散することを求めている現われですので、抑え込むことはせず、安心できる相手には話を聞いてもらったり、自分なりのガス抜きを考えていきましょう。

心置きなく相談できる友人や親族がいれば、非常に大きな支えになります。

もしも誰にも相談できない、話ができないときには、カウンセリングを受けたり、同じ状況で苦しんでいる方の自助グループ、インターネットのブログや掲示板などを探して、ともに気持ちを明かしあうといったこともよいでしょう。

もろちん、当サイトの電話相談もいつでもご利用ください。相談でなくても、ストレス発散してラクになりたい方も大歓迎です。

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