主婦A子さんからのご相談です。
「夫の浮気が発覚し、私は子育てや家事に追われる毎日のなかで、いつしか夫をないがしろにしていたことに気が付きました。
今は本当に一生懸命、居心地のよい家庭を作ろうと頑張っています。
なのに夫は、私が頑張れば頑張るほど、私を避けるようになり、最近は無視したり、拒絶するような態度を見せることもあります。
最近では、絶えず夫の様子を伺い、機嫌を取ろうとして、いつの間にか夫にこびてしまっている自分が嫌いで仕方ありません。
そして、夫に拒絶されたあとは、自己嫌悪とストレスで、「ママ、ママ」と愛情を欲している幼い娘にまで当たってしまう始末です。
心の中では、いつも娘に「こんなママでごめんなさいね」と謝っています。
もとの仲のよかった頃の夫婦に戻って、娘に当たり散らすことのない自分に戻りたいです。
でも、夫の冷たい顔を見ていると、夫とやっていく自信をなくしてしまい、心が折れそうです」
A子さんのように、忙しい生活のなかで、夫をないがしろにしてしまった、とおっしゃる方はとても多いです。
でも「ないがしろ」ってどういう状態のことをいうのでしょう?
言葉の意味としては、「あっても無いもののように軽んじるさま」ですが、要は、夫のことを構ってあげてなかったり、雑に扱ってしまったということですね。
そしたら夫の気持ちが離れて、浮気をされてしまった。
なので、『原因は私にあるから、私がちゃんと頑張ったら、夫は浮気をやめてくれて、以前の優しい彼にもどってくれるはず』というのが、この考え方の根幹となります。
(こういう道筋で夫婦関係の修復を解いているカウンセラーさんの記事も時折見かけますね)
でも、果たして本当にそうなのでしょうか?
男性が浮気をする原因はいろいろです。
妻側に何らかの要因がある場合も確かにあります。
でも、結果的にいえば、浮気の大半は『欲』によってはじまります。
つまり、妻がどうのこうのではなく、自分がその女性を好きになったからデートをしたいわけだし、会いたいとか、セックスしたいとかも、それらはすべて『欲望』からくる感情です。
夫が抱いた欲望を、妻の努力によってすべてコントロールできるなら、むしろ私は、よほど話が簡単だし、どんなにラクかと思います。
でも、現実にはA子さんをはじめ、多くの方々が『いくら頑張っても、状況が良くなりません』とか『夫が居心地よくなるように、精いっぱい頑張ってますが、夫は変わってくれません』とおっしゃっています。
なぜでしょうか?
こんなに頑張ってるのに、まだ努力が足りないから?
頑張り方が違うのかな?
きっと、私がどれだけ頑張れるか試しているのかも、、、、、?
そうではありません。
夫が浮気をやめてくれたり、夫婦関係を取り戻そうとする行動の核となるのは、妻がどれだけ頑張ったかではなく、夫自身の「ありかた」にかかっているからです。
「ありかた」とは、『自分にとって、一番大切なこと』をしっかり認識して、それを守り、それを幸せの中心において生活していくということです。
当然、ここで言う一番大切なこととは、『妻』であり『妻との関係』になります。
子供とか家族というのでもいいですが、中心に妻がいれば、そこから波及して、子どもや身内など、家族との幸せにもおのずとつながっていきます。
冒頭のA子さんも、娘さんに辛く当たってしまっていますが、それはご主人がA子さんを幸せの中心していないから、A子さんの心が不安定になり、娘さんに影響が及んでいるわけです。
まずはその現実をしっかり認識することが必要です。
『私が悪いから』とか『私が〇〇したから』という結論からスタートしてしまうのではなく、冷静に、自分から波及していることと、夫自身に原因があることを分けて考えることです。
そのうえで、『自分から波及していることについては、夫が「ありかた」を見直してくれるきっかけになるかもしれない』という期待のもとで、頑張ってみることは大いに賛成です。
いくら頑張っても状況が改善しないという場合、そもそもあなたが頑張るべきではない部分、つまり夫自身に原因があることに対して見当違いに頑張っていることがとても多いです。
そこに気づくだけでも、気持ちはずいぶん楽になってくると思います。