男の離婚〜プロローグ〜(続き)


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ただ、誤解のないように申し上げておきたいのですが、ここでいう、あなたが幸せだと思える暮らし……とは、あなたにとって、すべての幸せを手中にできる暮らし、という意味ではありません。

今のあなたよりも、これからのあなたが、より一層、ご自身がのぞんでいる姿であること、そのために、あなたがどうしても欲しいと思う幸せのカタチを選択して、その暮らしを現実のものにしていく、という意味です。

なぜこんなことを言うかといいますと、離婚することを選択したことによって、得られるものも確かにありますが、同時に失ってしまうものもあるはずだからです。

また逆に、離婚しないことを選択したことによって、得られないものもありますが、同時に失わずにすむものもあるのです。

これは離婚に限らず、どんなことにもいえることですが、対極する二つのものを同時に手に入れることは、物理的にも摂理的にも非常にムリがあります。

等価代償という言葉がありますが、多くの場合、望むものを得る時には、その代償として、おなじくらい大切なものを失う可能性がたいへん高いのです。

実は多くの方が、迷い、悩み、葛藤するのが、こうした「今ある幸せを失うこと」、に対する問題なのです。

この幸せ、というひとくくりの言葉の中には、様々な意味がこめられていますが、たとえば、家族がともに過ごす時間や子供の成長を見守ることとか、あるいは既婚者であるということが、仕事の出世に必要な条件だったりすることもありますし、自分の経歴に傷がつく、と感じる人もいるかもしれません。

いずれにしましても、離婚することによって、得る幸せと失う幸せ、離婚しないことによって、得られない幸せと失わずにすむ幸せ。

それをあらかじめ充分に認識し、(続きはこちら)