男の離婚〜プロローグ〜(続き・その2)


(前はこちら)

それをあらかじめ充分に認識し、「自分が望む人生をしっかりと思い描き、そのために必要な選択をする」ということが必要なのです。

そのあたりは、感情と切り離して、冷静に考える必要があります。

そして、状況によっては、ムリに離婚を強行するよりも、今の暮らしの問題点を見つめなおし、どうやって夫婦関係を立て直していくかを考えて、実践していくほうがあなたの人生にとって幸せな場合もあります。(私が「はじめに離婚ありき」としないのはこれが理由のひとつです)

また反対に、これはもう、どうみても離婚したほうが、あなたにとって幸せだと思える状況もたしかにあります。

結婚は、あなたが幸せを望んでしたことなのですから、あなたが幸せを感じられずに、わびしさ、淋しさ、我慢や苦痛、屈辱、やりきれなさを重ねて結婚生活を送るのであれば、それはあなたにとって離婚したほうがより幸せ、ということにもなるでしょう。(私が離婚を頭から否定しないのは、これが理由のひとつです)

また、「妻から離婚を宣告された」というような場合でも、それが一足飛びに離婚に直結するとは限りませんし、逆にそれがきっかけで奥様の心のSOSに気付いて、夫婦関係が劇的に好転された方もいらっしゃいます。

あるいは「妻と別れて新しい生活を手に入れたい」と、漠然と望んでいる方でも、実際に離婚を考えると、実行に移すほどの理由がない、という方も意外に多いです。

これは思考先行型の男性が特にハマりやすいのですが、バーチャルリアリティ的に、頭の中で離婚をシュミレーションしていて、実際の離婚との間に天と地ほどのズレが起きているのです。

離婚に限らず言えることですが、こうした思考の暴走は非常に危険です。

そのため私は、離婚を考える前の段階として、まず、夫婦のあり方や家族というものについて、
じっくりと考え直してみることを強くお勧めしたいと思います。

夫婦のあり方(あるべき姿の認識)が、お二人の間でピタリと一致していないと、やがて家庭の軸がブレていきます。

すると、そこから導きだされてくる答えが何もかもズレてしまいます。

しかも多くの場合、そのことにご自分たちが気付かないでいて、気がついたときには、もはや修復が不可能になってしまっている、ということも、実際によくあります。

このコンテンツには、そうしたメンタル的な側面や、心理的な要素か絡む場面についても、アドバイスが随所にちりばめられていますので、参考にしていただければ幸いです。